JICA関西と関西NGO協議会の協働で実施し、海外のNGOスタッフを対象に研修をおこなう「JICA-NGO連携による実践的参加型コミュニティ開発」研修も7月20日に終了しました。
研修参加者の帰国後の活躍に期待しています!
さて、今回は第3週目、第4週目をふりかえりたいと思います。
第3週目からは、いよいよ研修テーマの「参加型コミュニティ開発」の核心に迫っていきます。
「多様性とジェンダー」をテーマとしたセッションでは、多くの開発プロジェクトにおいて、ドナーからジェンダー配慮が求められるなか、ジェンダーの本質は何なのか、プロジェクトを実施するとき、村の人々とコミュニケーションを取るときにジェンダーに配慮するとはどういうことなのかについてレクチャーやワークショップ、ディスカッションをおこないました。
また、大阪市西成区の釜ヶ崎に訪問し、日雇い労働者やホームレスの人々を支援する行政やNPOの活動について学びました。
釜ヶ崎訪問から出てきたトピックの一つに、家族とコミュニティがあります。
訪問翌日は、一日限定で研修をオープンにする「オープンセッション」を開催し、NGOスタッフやJICAスタッフに参加していただきました。
そこで、研修参加者が考える家族とコミュニティ、日本の参加者が考える家族とコミュニティを比較し、近代化を分析するひとつの手掛かりとしました。
ここで全6週間の研修も折り返し地点にやってきました。
これまで自分たちが何をやってきたのかをふりかえり、今後深めたいテーマを話し合いました。
第4週目以降は、開発ワーカーとしてのコミュニケーションスキルを学ぶとともに、前週のふりかえりで出てきた、今後深めたいテーマについてさらに掘り下げていくことになりました。
開発ワーカーとしてのコミュニケーションスキルでは、開発ワーカーが村を訪問するとき、自分たちは対等な関係でコミュニケーションをとっていると思いがち、その一方で援助をされる側の人々は対等な関係だとは決して思っていないという問題意識からはじめました。
また、ワーカーがうまくファシリテートできないことで、コミュニティの抱える課題を見つけるのではなく、単なる”欲しいものリスト”をつくってしまい、プロジェクトがうまくいかない…というケースを避けるためにはどうすればいいかを考えました。
また、この週は生きづらさ(ひきこもりや不登校など)を抱えた子ども・若者やその家族を支援するNPO、ZUTTO/若者&家族支援ホッとリンクを訪問させていただきました。
前週に話し合った、研修参加者から出てきた今後深めたいテーマについては、研修参加者自身がリソースパーソンとなり、事例を紹介しました。
その一環として、近代化における日本企業の果たした役割をテーマに、Panasonicの創業者である松下幸之助氏の生涯や事業展開について展示されている松下幸之助歴史館も見学しました。
第5週目以降のようすは追って掲載します!
(スタッフ 田中)