第3回分科会 テーマ「多文化共生」
今回で3回目を迎えるKANSAI-SDGs市民アジェンダは12月8日にテーマを「多文化共生」として開催されました。会場の大阪YMCAにはおよそ30人の参加者が集まり、多文化共生について学び、話し合いました。
この日の未明に入管改正法が参院を通過し、今後5年間で34万人の外国人労働者を受け入れることとなる中での開催となり、多文化共生について考えを深めるまたとない機会となりました。
まず今回の話題提供者である座長の田尻忠邦さん(大阪YMCA)から、今回の入管改正法案や技能実習制度についてのお話がありました。その後参加者は5つのグループに分かれて、入管改正法案について意見交換をしました。フロア全体からは、技能実習制度が現状で抱えている問題の多くが十分に解決もしていない段階での改正案の国会通過を時期尚早とする声が上がりました。
多文化共生社会の実現に向けて
具体的な多文化共生のための行政と民間の取り組みについても話題提供がされました。外国人住民の人権保障やコミュニケーション支援、生活支援などは、現状では都道府県・指定都市間でその対応に大きな格差が生じているという課題があります。
外国人住民の抱える課題には実際にどのようなものがあり、どのように対処していくことができるのでしょうか。各グループでそれぞれが所属する学校、団体での多文化共生の取り組みについて情報交換をし、多文化共生のあるべき姿、方向性について話し合いました。多言語翻訳通訳サービスの充実、災害時に情報弱者となりやすい外国人に対する情報提供システムの整備等が挙げられました。
多文化共生社会は一朝一夕で実現するものではありません。継続した取り組みの積み重ねの重要性を学ぶことができました。
(報告者:岩根あずさ)