SDGs in Kansaiについて

関西からSDGs達成に向けたアクションを

SDGsは2015年に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されています。その背景には、貧困、不平等、気候変動などのさまざまな課題があります。これらの課題は人間の安全保障や人として生きる尊厳に関わるだけでなく、この先の世代もより良く生きていくためにも解決が急務です。

しかし、SDGsで掲げられている課題は一つ一つが複雑に絡み合っているため、一つの問題が別の問題を誘発したり、新たな問題を生んだりします。どうすればこれらの複雑で難解な問題を克服できるのでしょうか?私たち関西NGO協議会はさまざまなアクターが持ちうる力や知恵を合わせて、共に問題に立ち向かうことが重要だと考えています。

SDGs in Kansaiの目指すもの

SDGsの達成に向けて地域社会ができることがたくさんあります。SDGsが示している課題は国際社会、日本社会、地域社会それぞれのレベルで私たちの生活と密接に関わっています。SDGsの達成に向けて、私たち関西NGO協議会は市民社会の立場から、企業や教育機関、行政とのパートナーシップを重視します。また、市民の意思を反映させた決定のプロセスを大切にしながら、NGOの市民としての視点から「自然・環境」「経済」「社会」の調和のとれた社会を目指します。

SDGs in Kansaiの提案

SDGsが策定されたことで、様々な分野の問題が国際社会、地域社会のどちらもで議論されるようになりました。それによって、セクターや世代を超えて問題解決に対して動き出すことの重要性が認識されてきています。

しかし、市民一人ひとりが問題・課題の当事者であるといる意識、自らもSDGsの担い手であることを理解し社会の変化や変革に向けて行動を起こしていく意識は十分に育っていません。このような背景から私たちは市民のシティズンシップ意識を育てていくこと、特に「誰一人取り残さない」社会を実現するために、市民の力で社会をよりよくすることができるという意識を持つことが大切だと考えます。また、実際に市民から上がった声に対して社会が真摯に向き合い、共に変化を作り出していく姿勢も大切だと考えます。

地域の人々へ向けて

私たち一人ひとりは、国際的な課題や地域の課題において誰一人取り残さない社会を作る当事者です。
民主主義の主体は市民であり、政治は私たち市民一人ひとりにかかわる事柄です。政策で決められた事柄を単に受け入れる立場ではなく、積極的に政策決定に関わり社会を良くするための変革を担うという意識を持つことが必要です。

また、社会課題に対して自らの考えや立場を自由に発言していくためには、社会課題について感心をもったり、学びを深めていくことも必要です。

大阪・関西の市民社会(NGO・NPOなど)に向けて

市民社会は政策決定の過程に、当事者意識を持って参画していくことが求められています。また、社会の変革のために、市民社会が持ちうる知恵や力をあわせて、弱い立場に立たされている人も含めて、すべての人が声を上げていくことができる社会作りに取り組まなければなりません。

KANSAI-SDGs市民アジェンダのような、日本各地域で試みられているSDGsローカルアジェンダ策定の取り組みは、SDGs達成に向けて、市民一人ひとりが安心して声を上げることができる場作りです。このような努力を継続していく必要があります。そして同時に、SDGsローカルアジェンダに取り組んでいない地域でも市民が声を上げることができる場を作りましょう。

このような努力を通じて、緩やかで柔軟な市民社会のつながりを作ることができます。つながりの力はSDGs達成に関わる政策決定のプロセスに市民社会が参加するための土台になると考えます。

大阪・関西の自治体、企業へ向けて

市民社会が活発に活動をすると社会の様々な課題が見えてくるだけでなく、市民が主体となって課題解決に向けたアクションをとることができます。このような市民社会の持つ役割の重要性を行政や企業は認識してください。

また、行政や企業は、市民社会から上がる多様な考え方や意見が、弱い立場におかれている人びとを含めた、全ての人を包摂した社会を形成するために重要であることを強く認識する必要があります。

市民社会は行政や企業にとって、「社会をよくするための」対等なパートナーです。市民社会からの声に真摯に向き合い、SDGs達成に向けた政策決定、行動指針に市民社会の声を積極的に取り入れ、実行してください。

また、行政や企業は市民社会が提起する問題やそれに向けた解決策について共に考え、議論し、よりよい社会をつくるための環境づくりへと貢献していくことが期待されます。


◆この提案は、6月25日、26日に開催されたG20大阪市民サミットの地域社会・SDGs分科会のポジションペーパーとして発表し、多くの方にご賛同をいただきました。提案の全文と、賛同者は下記からご覧いただけます。

提案全文と賛同者はこちらから

SDGs in Kansaiの取り組み

関西NGO協議会はSDGsの達成に向けて異なるセクターを接合し、パートナーシップを推進していくための取り組みを行っています。これまで行ってきた具体的な取り組みには「KANSAI-SDGs市民アジェンダ」「かんさいCSネットワークフォーラム」、JICAと協働で行っている研修「SDGsを通して考える、社会課題解決のためのとりくみと協働のかたち」などがあります。また、「関西SDGsプラットフォーム」運営委員にも参加しています。
詳細は以下をご確認ください。

KANSAI-SDGs市民アジェンダ

SDGsは目標達成を2030年としています。2030年に向けて、私たちはどのような“KANSAI”を、そしてどのような“自分”たちを思い描くのでしょうか?関西地域からSDGsを達成していくために「市民による市民のためのSDGs市民アジェンダ策定」を市民の皆さんと一緒に考えていきます。

かんさいCSネットワークフォーラム

関西地域を拠点に活動するNPO・NGOと関西地域の中堅・中小企業との出会いの場を作りながら、地域を含む地球規模の課題解決に向けて、お互いの資源や能力を提供し、協働する機会を推進する関西地域のフォーラムです。関心のある企業やNPO・NGOの関係の方々など、どなたでもご参加いただけます。

SDGsを通して考える、社会課題解決のためのとりくみと協働のかたち

社会課題に取り組んだり、そのために他セクターとの連携を目指すNPO・NGO、またそれらのNPO・NGOと連携したいと考えている企業などを対象とした、SDGsに関する理解を促進するための研修事業です。SDGsへの理解を組織の活動に浸透・定着させ、異なるセクターと連携して社会問題解決するための方法を学びます。この事業はJICAの「NGO等活動支援事業」において「マルチステークホルダー型パートナーシップを通じて、地球規模や地域の課題を解決する人材/団体の育成」として採択されました。

関西SDGsプラットフォーム

関西SDGsプラットフォームでは、民間企業、NPO・NGOなどの市民社会、大学や研究機関、行政など異なるセクターに関わるすべての人にとってSDGsへ取り組むことが重要であることをアピールしています。市民社会の声をプラットフォームの活動に反映させるために、関西NGO協議会理事・熱田が、本プラットフォームの運営委員として参加しています。

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