KANSAI-SDGs市民アジェンダ第7回分科会 開催

第7回分科会テーマ 「食と農のサステイナビリティ~SDGsを入り口にして考えたい世界と日本の農と食の課題」

11月29日にKANSAI-SDGs市民アジェンダの第7回目の分科会が肥後橋官報ビルにて開催されました。高校生、大学生、企業関係者、NGO/NPO関係者、研究者など様々なバックグラウンドを持つ市民約30人が集まり、発題者の松平尚也さん(AMネット代表理事、耕し歌ふぁーむ)から、日本の食物自給率の課題や永続可能な農業といった視点でお話をいただきました。

「永続可能な」農業についてお話される松平さん

食と農のSDGsとのつながり

分科会の前半はSDGsの根幹でもある「持続可能性(松平さんは「永続可能」と表現)」に着目した食と農についての詳しいお話がありました。日本の食料自給率は低く、国内で消費される62パーセントの食料が海外から輸入されています。農業政策においても、農薬や化学肥料等石油資源依存型の農業が進められ、永続可能な農業体系とはいえないのが現状です。さらに外食・中食の増加によって安価な米や工場で加工するのに適した巨大野菜の需要が高まり、農家は種子などにこだわった農業をすることが難しくなったり、農業従事者の高齢化や農村の過疎化、耕作放棄地の増加など、様々な問題が山積みです。また、農業を営む松平さんのご経験から、気候変動の結果と考えられる大型の台風の頻発など自然相手に農業をすることが難しくなっているいるというお話もありました。

農業を取り巻く様々な問題は世界各地で起こっています。資源集約的な工業型農業の問題を再認識し、小規模・家族農業を再評価する動きについても紹介がありました。2018年12月に国連「小農と農村で働く人々の権利に関する宣言」が採択され、2019年から小規模農家に向けた政策が推奨されることが求められています。

食卓から未来を考える

分科会後半に行われたワークショップでは「永続可能な食と農」「食の依存と自立への気づき」というテーマでグループワークをしました。

食と農の課題について議論する参加者のみなさん

農業を営む人のディーセントワークを守るために消費者として何ができるのか、政策はどうあるべきか、開発国の農業の推進をどうするのかなど多岐にわたる意見交換が行われました。

最後には松平さんの畑で取れた伝統野菜(SDGsセット)の販売もあり、わたしたちの日々の生活に欠かせない食と農について深く考える機会となりました。

「伝統野菜SDGsセット」右から青味大根、紅法師、鷹峯とうがらし、日野菜

(報告者:岩根あずさ)

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