2022年に立ち上がったユース提言セクションの3名が、国会議員との意見交換会、文部科学省への提言を行いました。
2022年ユース提言セクションは、「ジェンダー教育」をテーマに活動を進めてきました。
未来世代を担う若者が、多様なセクシュアリティが存在することは自然なことだという認識を持ち、差別や偏見のない社会を実現するために、学校において LGBTQ+や SOGI についての教育の機会が必要だという考えのもと、教育内容や実施体制について提言書を作成しました。
当日はまず、今回文科省への直接の提言を実現するのに力を貸してくださった、石川大我議員や秘書の榎本さんらと様々な意見交換を行いました。
そしてその後、総合教育政策局政策課企画官の廣田さんをはじめ、文部科学省の皆さんに直接提言書を手交しました。
次に文科省の皆さんとの意見交換を始めるにあたり、高校生メンバーのうちのひとりが次のように話してくれました。
”この提言書は、ワン・ワールド・フェスティバル for youth 2022のユース提言セクションで作成しました。私たち高校生実行委員がテーマを決め、専門家の方々ともお話をしながら提言書を作成してきました。
そして、12月に行われたワン・ワールド・フェスティバル for youth のシンポジウムでは、一般参加の高校生たちともテーマを共有し、「提言する」ことの難しさについても考えました。その後、その提言をブラッシュアップして、今日に至っています。
提言の背景には、近年の日本での、LGBTQ+が正しく認知されておらず、セクシュアリティの重要な考え方であるSOGIという言葉も広まっていないという現状、そして性的マイノリティへの偏見・差別や、社会構造による課題が残っているという現状があります。
私たちは、こういった現状が残っている理由の一つには、いわゆる「マジョリティ」である人々がLGBTQ+やSOGIについてよく知らないために、性的マイノリティの方々を「異質だ」と感じているからではないか、と考えています。そこで、私たちは、多様な性があることを当たり前だと受けいれるようになるためには、まずは知ることから始めるべきだと考えました。しかし、学校でのLGBTQ+などの教育は実施が少ないのが現状です。
私たちは次世代を担う若者が、学生のうちに、多様性を当たり前に感じて受容できる価値観を醸成するために、学校におけるLGBTQ+やSOGIについての教育の機会の設置に向けて、3つのことを提言します。
- 「 マイノリティの子供だけでなく「周りの子どもや大人」にも働きかけ、ジェンダーやセクシュアリティについての知識や多様性を受容する価値観を教育によって普及させることを目指す」という記述を、4期の教育振興基本計画に不随する計画にいれる。
- 以下の授業・ワークショップ、実施体制の内容を文科省から各教育機関への通知として送る。
- 生徒指導提要に、ジェンダーやセクシュアリティについての教育を実施するという前提で、以下の実施体制の注意点の記述を加える”
提言書の全文・具体的な内容は、ぜひこちらからご確認ください。
当日、提言セクションのメンバーはそれぞれ、自分の意見や疑問に思っていることを堂々と話してくれました。
中には「こういった周知ができるのに対し、私たちの提案のような周知が難しいのはなぜなのでしょうか」など、鋭い質問も挙がっていました。
そしてそれらに対して、石川議員や秘書の榎本さんも、廣田企画官をはじめとした文科省の皆さんも、メンバーそれぞれの意見や質問に丁寧に応じてくださいました。
文科省側からは、すぐに何かを変えるという返答はいただけなかったものの、高校生の言葉はしっかりと受け止めてくださったと思っています。
私たちとしても、提言書を渡して終わりではなく、「提言」のプロセスの一部として引き続き、ウォッチを続けたいと思います。
この提言の実現にかかり、この間ご協力をくださったすべての皆さまに、改めて感謝申し上げます。
誠にありがとうございました。