TICAD7へのユースアドボカシー

SDGs達成に向けて若い世代も活発に活動を行なっています。
Japan Youth Platform for Sustainability (JYPS)さんからの活動報告をご紹介します!


TICADとは、日本政府(外務省)が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行及びアフリカ 連合委員会(AUC)が共同開催をしているアフリカ開発をテーマとする国際会議です。2019年の8月末に横浜でTICAD7が開催され、アフリカの経済・社会・平和の課題が議論されました。

JYPSでは、アフリカとユースと連携しながら、様々なTICAD7へのアドボカシーを行いました。

TICAD7ユースサミット
ーアフリカと日本のユースで共に考える、私たちの未来ー

2019年8月12日、JICA地球ひろばにて開催したTICAD7ユースサミットは、将来を担う若者が主体性を持ってTICAD7のアジェンダ策定に参画するために、アフリカへの関心を高め、ネットワークを構築し、今後のアクションを促進することを目的に開催されました。また、若者の声をTICADの意思決定の場に届けるために、サミットでの議論をもとにTICAD7ユース政策提言書を作成しました。 サミットは約80名のユースが参加し、アフリカからの留学生であるABEイニシアチブのメンバーも参加しました。

最初の開会式・全体会では、今のアフリカの姿や若者のアクションについて共通し、次の分科会では、教育、保健、雇用、開発とビジネス 、難民問題、西サハラのテーマでアフリカの課題を深堀しました。そして、次なるアクションにつなげるため、アフリカで活動をしている団体・企業とのマッチング、参加者同士の ネットワーキング、映像上映会を行い、閉会式のフォトアクションで自分のアクションを可視化しました。登壇者は日本とアフリカのユースだけでなく、アフリカで活動するNGOや国際機関、企業の方などに来ていただき、多様なプレーヤーから多くの学びを得ることができました。

閉会式でのフォトアクション

ユースサミットは、アフリカ開発に関わる専門家や実際にアフリカで活動するユースからの質の高いインプットにより、若者間でアフリカ開発に対する理解を深めることができ、さらに現在のアフリカの課題に対してどの様な政策が必要か、そして若者には何ができるのかについて参加者同士で考えることができました。また、「アフリカ」をキーワードに、様々なバックグラウンドを持つ人々が集まり、多様な「つながり」を生み出す機会となりました。

TICAD7本会合への参加

TICAD7では、アフリカ連合加盟国、開発パートナー諸国、国際機関及び地域機関、民間セクター、NGO等市民社会の代表等、10,000名以上が参加しました。 JYPSは市民社会の一員として、TICAD7の本会合に参加しました。

世界銀行副総裁に提言書を手交

JYPSの主な活動として、まず、ユースサミットにて作成されたユース政策提言書を、TICAD7 の主催者・共催者に手交しました。アフリカ連合経済・社会・文化評議会(AU ECOSOCC)副議長、世界銀行副総裁、UNDPアフリカ局長など、ハイレベルの方々に若者の意見を届けることができました。

また、2つの公式サイドイベントを開催しました。8月27日に実施した「若者の参画とパートナーシップーSDGsとアジェンダ2063を達成するために-」では、意思決定の場におけるユースの声の重要性について議論しました。8月29日に国際家族計画連盟(IPPF)とJOICFPと共催で行った「若者の力~SRHRから始めるジェンダー平等~」では、包括的性教育など若者を対象にした事業が、教育やエンパワーメントに結びつくことを話し合いました。

サイドイベントの様子

TICAD7では6つの全体会合、5つのテーマ別会合が行われましたが、JYPSはほぼすべての会合に参加しました。セッション前は市民社会と協働して加盟国への発言内容にユース視点をインプットしたり、セッション中はノートテイクを行うとともに会議の様子をSNSで発信しました。科学技術イノベーション(STI)をテーマにした分科会では、カメルーンのユースと協働し、ICT教育やユースに関わる政策について本会合で発言する機会を得ることができました。

本会合で発言するカメルーンのユース

TICADの会議の構成では、若者をはじめとするステークホルダーが公式的に参画できる枠組みはなく、「市民社会として」の参加に限られます。今回、TICAD主催者・共催者にユース政策提言書の手交する機会を開拓したり、本会合でユースの声をインプットしたことで、TICADの意思決定の場に対するユースの参画機会を拡大することができました。

また、国内やアフリカの市民社会ネットワークや、各国の政府関係者や国連の方々など広範囲にわたるネットワークを構築することができました。特に、若者主体の団体が開催した公式サイドイベント開催にあたって、国際的に活動する市民団体や国際機関と連携できたことは、新しいパートナーシップ構築につながりました 。

(報告者:山口和美)

タイトルとURLをコピーしました