第4回かんさいCSネットワークフォーラム 「SDGsとソーシャルブランディング~地球規模の課題と企業のつながり方を考える~」 開催
2017年3月29日に第4回目となる、かんさいCSネットワークフォーラムがグロービス経営大学院大阪校にて開催されました。今回はテーマを「SDGsとソーシャルブランディング~地球規模の課題と企業のつながり方を考える~」とし、およそ40人のNPO・NGO関係者と企業関係者が集まりました。
かんさいCSネットワークフォーラムは、関西地域を拠点に活動するNGOと関西地域の中小企業との出会いの場を作り、ネットワークを形成しながら、地域を含む地球規模の課題解決に向けて、お互いの資源や能力を提供し、協働する機会を推進する関西地域のフォーラムです。
今回はまずはじめに、森摂 さん(株式会社オルタナ 代表取締役編集長)から「SDGsとソーシャルブランディング」というテーマでご講演をいただきました。その後、佐藤正隆 さん(リタワークス株式会社 代表取締役)から事例紹介として「SOCIALSHIP~NPO/NGO/ソーシャルビジネス向けホームページ制作助成プログラム~」についてのご講演がありました。講演後に松岡秀紀 さん((一財)ヒューライツ大阪特任研究員、かんさいCSネットワークフォーラム運営委員)がファシリテーターとなりワークショップを行いました。
講演:テーマ「SDGsとソーシャルブランディング」
講師:森摂 さん(株式会社オルタナ 代表取締役編集長)
児童労働の問題や粉飾決算など、企業の社会的責任(CSR)に対する関心は年々高まってきています。そういった中で、企業のCSR活動は企業の経済活動が本来持ちうる顕在リスクを最小化するだけでなく、企業戦略の一部になっているという説明がありました。
2015年にSDGsが採択されたことで、企業のCSRを取り巻く環境はますます変化しています。森さんから、SDGs目標達成変の2030年に向けて17のゴールと169のターゲット達成のためにも、今後企業の果たす役割に期待が集まっているというお話がありました。
また、企業がCSRを推進することで新たなステークホルダーとの関係性が構築されビジネスチャンスが生まれるだけでなく、企業価値の最大化(ソーシャルブランディング)が起こります。特にソーシャルブランディングに関してSDGsと関連付けて中小企業がCSRを推進することで従業員満足度が高まり、それが顧客満足度を高めることに繋がり、ひいては社会満足度が高まるといったグループ・ダイナミクスの変化についての説明がありました。
事例紹介:「SOCIALSHIP~NPO/NGO/ソーシャルビジネス向けホームページ制作助成プログラム~」
発題者:佐藤正隆 さん(リタワークス株式会社 代表取締役)
ホームページ制作・運用などWeb事業を手掛けるリタワークスの佐藤さんから、「SOCIALSHIP~NGO・NPO・ソーシャルビジネス向けホームページ制作助成プログラム~」について詳しくご説明いただきました。
まずはじめに2016年に「SOCIALSHIP~NGO・NPO・ソーシャルビジネス向けホームページ制作助成プログラム~」が始まったきっかけについてお話をしていただきました。2013年にNGOと連携して社会貢献活動を行ったのをきっかけとしてリタワークス独自のIT技術を生かして、NPO・NGO等の助成事業が発案されることとなりました。
さらに、2017年度からは『クリエイティブ助成プログラム』と改名し、他企業の協力を募りながらより多くの団体を助成できるような新たな取り組みが始まっているということもお話いただきました。
グループワーク:テーマ「企業やNGO/NPOが連携し、どのような社会課題が解決できるか」
ファシリテーター:松岡 秀紀 さん((一財)ヒューライツ大阪)
講演後、各グループに企業やNGO、行政の関係者を交えてグループを作りグループワークを実施しました。
グループワークでは、バックグラウンドや取り組んでいる事業の異なるメンバーが、それぞれの得意分野の知識を出し合い連携した場合、どのような社会課題を解決できる事業を行えのかについて話し合われました。その後、各グループが考えたアイディアを発表しました。さらに、各グループのアイデアについて本日の講師である森さんに質問をし、グループ内で共有された課題の解決方法や世界の類似事例の紹介などの回答を得ることで、それぞれの問題関心への理解を深める機会となりました。
SDGsと企業、どのようにつながることができるのか
今回はワークショップ後に希望する企業、団体などへのコンサルテーションの場が設けられました。一人20分という限られた時間の中でしたが、SDGsと事業の関連付けの方法や、NGOと企業の連携の方法など具体的な相談が寄せられました。
最後に参加者同士が交流する場が設けられました。交流はグループワークの後であったこともあり、賑やかな雰囲気で行われました。
(報告者:岩根あずさ)