漠然と国際協力に興味があるのですが、どんな仕事があるのかわかりません。

あなたのイメージする国際協力とは何でしょうか。
途上国で働くことですか? 貧困に苦しむ子どもたちを助けることですか?
自分の問題意識を明確にした上で、自分はその問題を解決するためにどのようにアプローチしたいのかを考えましょう。
例えば以下に当てはまるものがありますか。

  • 途上国で技術や専門を活かして働きたい
  • 人や物のコーディネーションをしたい
  • 政策立案に関わりたい
  • 調査研究がしたい
  • 総務や会計などの事務がしたい

これらの仕事は、国際協力に関係する仕事の一部ですが、NGOでなければできない仕事ではありません。
例えば、NGO以外の独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)や地方自治体も技術者や専門家を途上国に派遣しています。 政策立案なら中央省庁に就職した方が良いかもしれません。 次の項(国際協力の仕事ができる就職先にはどんなところがありますか?)で具体的な国際協力の就職先を紹介しますが、 それらに就職することが国際協力ではありません。
どんな問題意識をもって社会に関わるか、その具体的な方法(仕事)として自分に何ができるかを考えてみてください。

国際協力の仕事ができる就職先にはどんなところがありますか?

 

  • 国際連合を始めとする国際機関の中で、国際協力に関連する組織・部門
  • 世界銀行、米州開発銀行、アジア開発銀行(ADB)など国際開発金融機関
  • JICAなど、日本の政府開発援助(ODA)実施機関
  • 国際協力事業を担う、中央省庁・地方自治体
  • ODAを受託・実施する開発コンサルタント会社、商社、メーカーなどの民間企業
  • 国内、海外のNGO

などがあります。

NGOスタッフは日常どんな仕事をしているのですか?

国内では、総務(総会や理事会の開催、年次報告書の作成、会員サービスなど)・会計、 広報(イベントの企画・会報の編集など)、資金調達(募金プログラムの作成や補助金、助成金の申請など)、 プロジェクトの企画立案やモニタリングなどが挙げられます。
海外では、プロジェクトの立案~実施・運営~事後評価、政府・国際機関や他のNGOとの交渉・調整、現地採用スタッフの雇用に関わる業務などです。 要は、組織運営に関わる業務全般ということになります。
なお、プロジェクトの内容は、それぞれの団体が取り組む分野によって異なります。詳しくは、 NGO/NPOについてのページをご覧下さい。

NGOで働けば、仕事にやりがいを感じられますか?

NGOに対して社会貢献のイメージが強いのか、このような質問をよく受けます。 何にやりがいを感じるかは人それぞれですし、携わる業務内容も様々です。 また、どんな職業でもそうであるように、いろいろな苦労もあります。 民間企業での仕事と対比させ、NGOの方がよさそうと考えてしまうのは、あまりに短絡的と言えます。
当会を通してNGOスタッフとコンタクトしてみたり、また実際にNGOでのボランティア活動、勉強会やスタディーツアーなどへの参加を通じて、 マスメディアや活字等を通しての情報だけではなかなか聞こえてこないNGOスタッフの生の声を聞いてみることをおすすめします。

NGOの就職状況を教えてください。

国内の国際協力NGOで5人以上の有給スタッフを抱える団体は全体の約半数に過ぎないのが実情です。 少人数のスタッフが、ボランティアや支援者に助けられ、また現地採用のスタッフとも協力しながら、活動を行っているのです。 ((特活)国際協力NGOセンター発行「NGO職員の待遇・福利厚生と人材育成に関する実態調査」報告書参照)
人員や予算が限られている中で、十分に新人教育に取り組むことができないという事情もあり、採用の際には即戦力が求められる場合が多いです。 また、多く団体は定期採用を行わず、欠員や事業拡大の際に適宜人材を募集するというスタイルを採っています。

NGOで働くにはどんなスキルが必要ですか、有利な学部・学科はありますか?

上記「NGOの就職状況を教えてください」からもわかるように、NGOが求めるのは適材適所の人材です。 即戦力が求められることが多いため、その場合は数年以上の実務経験が必要となりますが、それ以外のスキルについては、 「それぞれの団体がどのような人材を求めているか」によるため、一概には言えません。
海外とのやりとりの少ない部署であれば、外国語の能力は問われないでしょうし、現場に必要な技能があれば、 学位にはこだわらないという場合もあるでしょう。
従って、進路選択や職業選択の際には、何がNGOへの就職に有利かだけ考えるのではなく、自分は何がしたいのか、 それはどう国際協力の道で活かせるのか、またNGOでなければそれはできないのか、など、多角的な視点を持って吟味する必要があるでしょう。

NGOスタッフになることは、国連や国際金融機関、関連政府機関に就職するより簡単ですか?

一概には言えません。
採用条件を例にとると、ほとんどのNGOが社会経験のある人材を必要としているのに対し、 国内のODA実施機関や中央省庁などの中には大学新卒の採用枠を設けているところもあります。
また、国際機関にはごくわずかながら大卒で受けられるポストもあるのに対し、NGOでは途上国での生活や就学経験が求められる場合もあります。 加えて、既述の通り、有給スタッフの絶対数が少ないことも、NGOへの就職を難しくする一因と言えるでしょう。
どこになら就職しやすいか、ではなく、どこなら自分のやりたい事ができるのか、そこで求められるものは何か、 と発想を転換させ、情報収集に努めましょう。

NGOでの事務局ボランティアはその団体への就職につながるのでしょうか?

各団体の方針によりますが、ほとんどの場合職員の募集は公募によって行われるため、 ボランティアをしたことが、即その団体への就職につながるということはごくまれでしょう。
例えば、当会でも常時、事務局での業務をお手伝いいただくボランティアを募集しています。 NGOで働くことに興味を持ってボランティアを始める方もいますが、当会がボランティアをスタッフとして直接採用することはありませんし、他の団体への斡旋も行っていません。
ただ、当会のようなネットワークNGOは、加盟団体の業務内容を始めとして、様々な国際協力に関する情報を一般の方々に提供することを、 その役割の一つとして担っており、ボランティアとして定期的に事務局に来ていただくと、就職に関連するような情報収集を行うことは可能です。

海外のNGOで働くにはどうすればいいですか?

採用条件としては、国内のNGOと同様、欠員を補充する形でのスタッフ募集の形態がほとんどで、 実務経験は必須、当然高い語学力も求められます。
また、マネージャークラスでの募集も多く、10年単位の特定分野での実務経験、 あるいは国際協力分野での現場経験が求められる場合も少なくありません。 従って、民間企業や国際機関等での勤務の後に目指す選択肢と考えてもよいでしょう。
募集情報を探す手段の一つとして、Action Without BordersというNGOの運営する、世界各国のNGOの情報を集めた idealist.orgというウェブサイト(英語)があります。

国際機関で働くにはどうすればいいですか?

国際機関職員には大きく分けて2つ、専門職と一般職があります。
専門職員は、各機関で実施する開発、環境など諸問題を扱うプログラムに直接携わる業務、 あるいはそれをサポートする総務、人事、広報といった業務を担当し、一般職員は秘書や運転手など、一般事務を担当します。
一般職員は、原則として各機関所在地での現地採用になりますので、直接問い合わせ、応募するしかありませんが、 専門職員への応募にはいくつかの方法があります。
詳しくは、外務省国際機関人事センターのウェブサイト をご参照下さい。
採用条件としては、即戦力となりうる知識や経験、そしてほとんどの場合修士号以上の学位が求められます。

企業に就職しても、国際協力に関係する仕事ができるのですか?

「国際協力」という言葉の意味するところはとても広く、また人によって考え方に違いがあります。 従って、企業活動そのものが国際協力につながるかどうかはその人の捉え方次第とも言えます。
ODA案件を受託・実施している企業以外であっても、例えば、貿易に関わる商社で働けば、生産国の人々の生活向上に貢献できるとも考えられ、 環境に配慮した機械や素材などを製造し世界に販売しているメーカーで働けば、地球環境の改善に一役買っているとも考えられます。
また近年では、企業の社会的責任(いわゆるCSR)を意識した取り組みを行う企業も増えてきています。
自分が何を国際協力と考え、何をしたいのかを軸に、企業研究を進めてみてください。