【12/13】協同シンポジウムinきょうと~強くて、あったかくて、優しい社会について考えてみませんか~ インターン報告

インターンの谷川です。

2014年12月13日(土)、京都労働者総合会館ラボール京都大ホール(京都・西院)にて、表題のシンポジウムを関西NGO協議会の企画運営、近畿ろうきん京都地区統括本部・京都生活協同組合の共催で開催いたしました。当日は近畿ろうきんおよび京都生協の組合員のみなさまはじめ、広く一般の方々およそ340名のご参加がありましたので概要をご報告いたします。

 第1部:1%は誰かのために生きる~命・健康・絆・支援を考える」る」                                          鎌田實さん(諏訪中央病院名誉院長・(特活)日本イラク医療支援ネットワーク(JIM‐NET)代表)

■99%は自分のためでも、「1%はだれかのために生きる」ということ

講演の冒頭で鎌田さんは「『99%は自分のためでも、1%はだれかのために生きる』これによって家庭や職場、身の回りの社会の空気を変えることができる。そして、それを繋げていくと日本や世界さえも変えられるのではないでしょうか」と語り、「まず、難しいことを考えずに1%、自分以外の誰かのために生きる。そうしていくことできっと、世の中がうまく動き出します。今の日本にはそれが必要なのではないでしょうか」と呼びかけました。

■「相手の身になる」ということの大切さ

また、講演の中で、「相手の身になる」ということの大切さについて、ご自身の経験や出会いのエピソードとともにお話いただきました。「生活や社会を変えるためには、行動を変えなければならない。その時に、相手を否定しては何も変わらない。まず相手の身になって考え、話すことが大切」と語り、同時に、人と人との関係が非常に大切で、情や信頼関係が人を動かすのだとも語りました。

■イラクの少女からの手紙

講演の最後に、目のガンで亡くなったイラクの少女が死の間際に綴った手紙をご紹介いただきました。「先生、私は死にます。でも私は幸せでした」と始まる手紙には、家が貧乏で学校に行けなかったこと、ガンになってから病院の院内学級で学ぶことができ勉強のすばらしさを知ったこと、院内学級の先生に出会えたこと、絵が好きになったこと、彼女の描いた絵がJIM-NETのチョコレートの缶のデザインとなったことがあげられ、「私の絵が日本に届いて、優しい日本の人たちがチョコレートを買ってくれて、その利益でイラクに薬が届く。私は死んでしまうけれど、他の病気の子が助かる。だから私は嬉しい」と書かれていました。人間はひどいことも起こすけれど、自分のことをよそへ置いて他人を想うことができる、人間はこれほどすばらしいこともできるのだと語りました。

「ほんのちょっと行動を変えれば、地域の空気を変えることができます。日本を変えることもできる。そしてその延長線上で、世界を変えることもきっとできる。もう一度、私たち一人ひとりが自分の意思をしっかりと持って、そして周りとつながっていくことが大切です。そのためには、相手の身になることが大切なのです。」

最後に鎌田さんより参加者の方へメッセージをいただき、講演を終了し、一人ひとりに語りかけるように話され、鎌田さんの優しくあたたかい人柄が溢れ出る講演でした。

第2部:「パネルトーク」

最初に、各パネリストより、自己紹介とそれぞれのプロジェクトについて紹介がありました。

■近畿ろうきん・浦田さん×「社会貢献預金・すまいる」

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…金利を引き下げ、その分の金額を寄付の一部としてNPO/NGOへ寄付を行う仕組み。日本ではじめてNPOへの融資をはじめた近畿ろうきんが提案する新しい価値観。

 

 

 

■京都生協・福永さん×「さくらこめたまごを通じた地産地消の取り組み」

fukunaga食料自給率の向上と、地産地消の推進、荒れた京の農地再生のため、たまご1こあたり1円の応援金を上乗せし販売を行う。たまごを通じて3つの取り組みに簡単に参加できる仕組み。

 

 

 

■テラ・ルネッサンス・小川さん×「アフリカ子ども兵問題」

ogawaカンボジアやアフリカで地雷撤去活動や元子ども兵の社会復帰などを支援する活動をおこなっている。紛争の根本では先進国の消費行動も大きく影響している。私たちの日々の選択で世界を変えることができる。

 

 

■アクセス・野田さん×「フィリピンのフェアトレード支援活動」

noda「子どもたちに教育を」「女性に仕事を」をテーマに日本とフィリピンで活動している。国際問題の背景には先進国の消費行動や不公正な貿易の仕組みも影響している。フェアトレードの商品を通じて貧困に苦しむフィリピンの人々を支えることができる。

 

 

また、パネルトーク冒頭には、鎌田實さんにもご参加いただきました。日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)のチョコ募金のお話とともに、各プロジェクトに触れ、「まさに“1%は誰かのために”という事例で、ほんのちょっとの発想の転換が人々を動かす力となっている」「“哲学”を持つことでNPOが変わる」とのメッセージをいただきました。

つぎに「1%の力がどのように働いたのか」について、各パネリストからそれぞれのプロジェクトや体験談をお話いただき、最後に、「1%」というキーワードをもとに、「1%の戦略」や「1%の可能性」について、志やメッセージとともにお伝えいただきました。

「お金に色はついていないが、意思を持たせることはできる。『すまいる』への預金は“意思あるお金”」だという浦田さんの言葉や、「地産地消は“国内のフェアトレード”」だという福永さんの言葉、そして、預金先や購入する商品の選択は、“市民の持つもうひとつの選挙権”であるという言葉に、私たちの日常生活から地域や社会を変えてゆけるという可能性を感じました。

また、野田さんの話す「生産プロセスでだれも傷つけない」というフェアトレードの考え方や、絶望ばかりが見えてしまう現場で、人の中に残っている“1%の希望”から「人間には変わる力がある」と語る小川さんの言葉に、「強くて、あったかくて、優しい社会」に向けてのヒントや希望を感じました。

シンポジウム終了後には、鎌田實さんの書籍やJIM-NETの商品販売、協力団体による書籍や商品販売を行い、大変好評でした。

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写真:フェアトレード商品の販売と、テラ・ルネッサンス小川さんのサイン会の様子

当日は寒い中、多くのご参加、ありがとうございました。

また、開催にあたりご協力いただいた、京都労働者福祉協議会、全労済京都府本部、京都府生活協同組合連合会 近畿勤労者互助会、(特活)きょうとNPOセンター、(特活)テラ・ルネッサンス、(特活)アクセス―共生社会をめざす地球市民の会、(特活)フェア・プラス のみなさまへ感謝申し上げます。

 

【文章】作成:インターン谷川

【写真】撮影:インターン山下、撮影日:2014年12月13日、場所:ラボール京都