2014年6月7日JICA関西において、「JICA研修員と学ぶ世界の紛争とその解決をめざして」と題したオープンセッションを、JICA関西・関西NGO協議会の共催で開催しました。

短い広報期間であり、また英語でのセッションであったにも関わらず、多くの方が積極的に参加くださり、終了後も研修生との交流やディスカッションが続いていたようです。
皆様、ありがとうございました!

HP掲載用:PCDオープンセッション写真(20140607).min

オープンセッションの様子(写真:関西NGO協議会 撮影日:6月7日 場所:JICA関西)

さて、当日は雨のなか、JICA関西/関西NGO協議会の研修プログラム「紛争解決と共生社会づくりのための実践的参加型コミュニティ開発」に参加中の海外11カ国からの研修員と意見交換を行うため、22名の一般からのご参加を得ました。

本研修は、紛争・災害後の復興期にある国・地域でコミュニティ開発プロジェクトの計画立案に携わる参加者が、より持続的・効果的な住民参加型のコミュニティづくりのためのアイディアや手法を獲得し、自国でのプロジェクト改良に貢献することを目的としています。

コース全体を下記4つのモジュールに分け、テーマに沿ったケーススタディやフィールドワークを通して、参加者それぞれが有する問題解決につなげていきます。

Module 1:What is community development?
Module 2:Outsider’s role in community development
Module 3:Diversity-based conflict resolution and linkage method with a wide variety of stake-holders
Module 4:Reflection and Making Your Own Action Plan

進行・ファシリテーターは (特活)ソムニード代表理事、関西NGO協議会提言専門委員の
中田豊一氏が務めてくださいました。

13:30、素敵な民族衣装をまとったルワンダからの研修生フロリーダさんのウェルカムスピーチと中田さんの挨拶により開会、次に意見発表を行う11カ国14名のJICA研修員が紹介され、11カ国の研修員は次の5地域に分けられてそれぞれ発表を行いました。

①東アフリカ4カ国(ウガンダ、ブルンジ、スーダン、ルワンダ)
②西アフリカ2カ国(マリ、コートジボワール)
③ラテンアメリカ1カ国(コロンビア)
④東南アジア及び南アジア3カ国(ミャンマー、ネパール、スリランカ)
⑤中央アジア1カ国(アフガニスタン)

各グループは、その国家、経済、紛争、紛争原因の概要、今回研修を通じて学んだこと、彼らの紛争と共生社会づくりへの取り組みへの条件、などを発表しました。その主な内容は以下の通りです

東アフリカ

研修での学びは、頑張って働くこと(hard work)、時間を守ること、組織の一員として行動すること、インフラが整備されていること、適切なコミュニケーションが保たれていること。紛争の原因は、富の不公正な分配、土地争い、適切な教育の欠如。

西アフリカ

研修での学びは、社会内の融和はデモクラシーへのキーであること、資源の管理、持続性のある地域開発、日本の急速な発展の前提条件、紛争解決へのアドボカシーのツール、地域社会形成のための対話のスキル。

ラテンアメリカ

人口の86%が白人とメスチソ、残り14%がインディオ・黒人・インディオ=黒人間の混血。貧困限界線以下の人口は45%。国土の大半は密林。コロンビア特有の紛争原因としては麻薬経済、麻薬マフィアの存在。

南アジア・東南アジア

研修での学びは、政策実施のスキル、持続性のある地域開発、社会の諸セクターの参加、都市における社会問題、コミュニティ間紛争の解決方法。

中央アジア

研修での学びは、国への信頼、国からの支援、機能する教育。アフガニスタン特有の問題は、国内に強い社会分裂があることで、つまり民族間、地域間、中央と地方の間、階層間の対立です。これに政府の失政、外国・外部勢力の悪影響が加わりました。これから発生したものは、麻薬組織、犯罪組織、社会インフラの欠如・破壊、軍閥・民兵の台頭、過激思想の蔓延、政争、水争い、土地争い、大量難民です。アフガニスタンは貧困―紛争の関係図式については「貧困がなければ紛争の原因は、その分だけ少なくなる」との見方を示しました。

最後に一般参加者から「人口増加は紛争の原因になりうるのか」との質問が出されました。これに対し研修員からの回答は2つに分かれました。一方は「その通り。祖国の国土がその人口を養っていけるかどうかで貧困度が決まり、紛争の有無が決まる」でしたが、他方、「貧困と紛争とは関係はあるが、経済が発展していく限り人口増加は(紛争の発生において)悪ではない。一定の人口増加は不可欠」という意見も出されました。

当初の終了予定時間を延長し、16:50にセッションは終了しました。研修員と一般参加者が交わって記念撮影などを行い、その後も多くの方がロビーに残り交流が続いたようです。それまでに天候も回復し、無事日程は終了しました。

来年度も是非こうしたセッションを開催したいと思っております。皆様、ありがとうございました。

当日参加者の声

・世界の紛争について考える良い機会になった(JICAシニアボランティア派遣予定者)
・初めてこのような機会に参加し、大変刺激になった。国際問題について情報満載であった。
・時間が足りなくなるぐらい有意義な時間を過ごせた。
・紛争原因は国によって地域によって違いがあることが分かった。貧困が大きな原因に
なっているのは悲しい事実である。
・研修員が日本の制度について学んでおられるのを見て、我々日本人ももっと自国の
取り組みに理解を持ち、誇りを持てるようになることが必要と思った。
・開発経済学を学ぶものとして非常に貴重な経験になった、今後もこのようなセッションを
継続的に実施してほしい。
・普段関わることのない方々と直接話ができ、興味深かった。また是非機会があれば参加
したい。
・紛争問題を学びたい人にとってとても有意義なものだった。
など

【記録作成】
関西NGO協議会
ボランティアスタッフ 鳥飼 卓